2型の糖尿患者であっても、病状が進んでしまうと、インスリンの分泌量が減ることがあります。
また、体がインスリンへの抵抗性を持ってしまって、抵抗性が高くなることで、血糖も高くなるケースがあります。
体内のこのようなインスリン不足状態に加え、風邪などの病気をしたり、暴飲暴食をしたり、ストレスがたまったりして、血糖が著しく高くなると、意識を失います。
これが糖尿病性昏睡です。
人間は、風邪を引いたり、ストレスが与えられたりすると、それらに対抗するため、エネルギーが必要となります。
エネルギーが必要になった体は、肝臓を働かせて、糖を作って、血糖値を上げようとします。
こうして、血糖値が高くなり、元気になろうとしているのです。
これは、もともと体が持っている、自分で自分を治療しようとする自然な反応です。
糖尿病を治療中で、インスリンが足りない状況であっても、血糖は上がろうとしています。
ですから、糖尿病の方では、糖がどんどん溜まっていく高血糖の事態に陥るのです。
インスリンが発見されてから、意識を失うという、この合併症は激減しています。
糖尿病性昏睡が減ってきた代わりに増えてきた合併症が、血管合併症です。
この病気は、比較的、大きな動脈に対して起こる、みなさんもよくご存知の病気の動脈硬化と、細い動脈に起こる、細小血管症があります。
血管病変は、目の病気になって出てきたり、心臓病になったり、高血圧になったり、腎症になったりします。
また、神経障害や、皮膚病なども糖尿病の合併症です。