血糖値が高くても、酷い症状が出ないからといって、たいしたことないとご自身で決めつけるのは本当に危険なことです。
血糖値が高い状態がしばらく続くようであれば、それはすでに糖尿病であり、糖尿病であるにもかかわらず、それを放っておきますと。
恐ろしい三大合併症の症状が表れてくるようになるでしょう。
最初は、三大合併症のうちのひとつの症状だけのかたもいらっしゃるでしょう。
最初から、三つの合併症、全ての症状が出てくるかたもいらっしゃるでしょう。
どれか、ひとつだけでも愕然とするような結果が待っているのです。
ひとつずつお話してゆくことにいたしましょう。
今回は「糖尿病性網膜症」についてです。
実は、成人してから失明するかたの原因のトップが、この「糖尿病性網膜症」です。
つまり、血糖値が高い状態を長い間、放っておきますと、やがて失明する可能性が高いということです。
糖尿病と診断されてから15年以上たっているかたがたの半数程度は、網膜に異常が見られるそうです。
どうして血糖値が高いことが原因で、網膜に異常をきたすのか説明してゆきましょう。
網膜という部分には、無数の細い血管が通っていますが、血糖値が高いということは、血液の中に糖分が多量に含まれているということですから、どろどろした血液が細い血管を流れてゆくのが困難になってゆくのです。
血液の流れが止まってしまったり、出血を招くこともあるでしょう。
そして、やがて網膜剥離という状態になり、ついには失明へと悪化してゆきます。
せめてもの救いなのは、糖尿病性網膜症は、進行がゆっくりだということですね。