糖尿病にかかるとやがて発症する合併症の中でも、とくに多くのかたに発症するものを「三大合併症」と呼んでいますが、今回はその中から「糖尿病性腎症」についてお話することにいたしましょう。
糖尿病性腎症というのは、その文字からもお分かりの通り、腎臓に障害が起こってきます。
網膜と同じように、腎臓もまた細い血管がたくさん集まっている臓器ですので、血糖値が高い状態が続くことが原因となって血管を血液が流れにくくなったり、詰まってしまったりという症状が起こってくるのです。
ですが、この症状は通常、とてもゆっくりと進行してゆきます。
腎症になってから30年前後くらいで腎不全になり、腎臓の機能が停止するという感じですね。
ですから、徐々に腎臓が蝕まれていることに気付かないことも多いです。
腎臓の機能が停止したからといっても、すぐに命が危ぶまれるわけではありません。
人工透析という方法がありますね。
現在、我が国で、この人工透析を行っているかたは、20万人以上もいらっしゃるそうです。
あなたのお知り合いにもいらっしゃいませんか。
どんなに大変であるか、お聞きになったことはないでしょうか。
本来であれば、腎臓がするべき仕事を機械でやってもらうのが人工透析なのです。
週に3~4日、一回3~5時間程度もかかるので、日常生活にも支障がでます。
血糖値が高いことが原因で、このような事にもなってしまうのですね。
しかし、早期の治療によって人工透析を免れることが出来ます。
とにかく早い発見のために、日々、身体の調子に注意を払ってください。